こんにちは、ペロンです。
フランスと言うと、医療大国のイメージがありませんか?
こんなイメージ、ありますよね…
税金もすごく高いので、私も以前はそのように思ってました。
でも実際フランスに住んでみて、そのイメージは必ずしも完璧ではないということがよーく分かりました。
実は完璧ではなく、不便で仕方ないフランスの医療制度。
実際の経験を元に実態をまとめてみました。
フランスは完全分業の医療制度
フランスの医療制度は日本と大きく異なる点が、完全分業制であるということ。
ちょっと良く分からないので、日本でお医者さんに行くときのイメージと比較してみましょう。
実際に私がフランスで経験した、首の腫れ、腫瘍の診察を例に見てみましょう!
日本のお医者さん
①近所の内科へ
②お薬を処方されて薬局へ
③様子を見てもおかしいので、近所の内科で再診
④内科で判断できない場合、大きな病院の紹介状を書いてもらう
⑤大きな病院で血液検査や、エコー検査、生体検査、レントゲンを実施。
大きな病院で検査の予約日程によっては、数日通わないといけないこともあると思いますが…
だいたい1ヶ月もあれば、この一連の流れをこなす事ができますよね!
では完全分業の医療制度であるフランスの場合、どのような流れになるのでしょうか。
先に言っておきますが、アホみたいに長いです。
読み飛ばしてもらってもかまいませんw
①かかりつけ医(médicine traitant)へ
②血液検査を受けるために、血液検査専門のラボに紹介状を書いてもらう
③血液検査専門のラボへ行って、血液検査を行う
④かかりつけ医を予約
⑤血液検査の結果を持って、かかりつけ医へ行く
⑥原因不明。レントゲンとエコー検査の紹介状を書いてもらう
⑦レントゲンとエコーの専門医にそれぞれ予約を取る
⑧レントゲンとエコーを実施
⑨かかりつけ医の予約を取る
⑩レントゲン、エコーの結果を持って、またかかりつけ医へ行く
⑪原因不明、耳鼻科・首の専門医に行けと言われ、招待状を書いてもらう
⑫耳鼻科・首の専門医の予約を取る
⑬耳鼻科・首の専門医で診察、生体検査を受ける為に紹介状を書いてもらう
⑭生体検査の専門医の予約を取る
⑮生体検査を実施後、結果が届き次第、耳鼻科・首の専門医へ行く
⑯生体検査の結果をチェック、原因不明で再度別の生体検査を実施
⑰また耳鼻科・首の専門医に戻り、分からないから手術するか?と言われる
史上最強にめんどくさい。
この一連の流れ、なんと計7ヶ月もかかりました。
「首の腫れだから、もしかしたら危険かもしれない」と、緊急で扱ってもらったにも関わらず、7ヶ月もかかったのですwww
首の腫れも、原因不明のまましぼんでしまい…
結論「大丈夫じゃない?」で終わりました!www
本当に信じられないぐらい面倒だし、とにかくたらい回しになってしまう制度なのです。
超疑問なのですが、フランスで良いお医者さんをどうやって探すのでしょうか…
旦那が下腹部に痛みがあって色々検査してて、2年間たらい回し…
私も首に腫瘍ができたときに半年たらい回しにされて結局消えてしまい、「大丈夫じゃない?」とw
システム上たらい回しになるのは分かるけど長すぎ。
— マダムペロン@パリ (@madameperon2016) 2018年12月11日
しかも、専門医や検査の予約を取りたくても、混雑している場合はすごく待たされます。
1、2週間後に行けたら良い方で、専門医によっては数ヶ月待たされる事も。
旦那の担当の医者、本当にあまりにチンプンカンプンすぎて…
下腹部の痛みの原因が分からないから、ずっとキネ(運動療法)をさせられてたんだけど、旦那が「全く効果ない、CT撮りたい」と言ったら、「俺は必要と思わない」と。
結局強引にCT撮らせてもらって、原因の糸口が判明。
次は内視鏡らしい。
— マダムペロン@パリ (@madameperon2016) 2018年12月11日
んでその内視鏡の専門医、予約しようとしたら2月いっぱいまで予約で埋まっていると。
なんなの?w
もう症状発症してから2年以上経っちゃうんですけどw高い医療費払ってて、散々時間かかり…
いつ解決するんだろう
— マダムペロン@パリ(@madameperon2016) 2018年12月11日
あーヤバイ、だんだんイライラしてきちゃった。
ほんっとうさ、高いお金払っているのにこの医療システム、どうなのよ?
非効率という言葉がぴったり!本当いい医者ってどこにいるの?w
— マダムペロン@パリ(@madameperon2016) 2018年12月11日
実際私の旦那も、今謎の原因不明の腹痛に悩まされています。
もう散々血液検査をしたり、レントゲンを取ったり、エコーをやったり、何しても何も分からない状態で、とにかくたらい回し。
その状態が2年も続いています…
フランスといいイタリアといい…医療機関の分業制とたらい回しっぷり…読んでいるだけでイライラします。。
助かる命も失いまくってるのではと思ってしまいますね日本の病院でも不満だらけでしたが、そんなレベルではなさそうですね
— Lui@イタリア移住準備中(@tokyobizgirl) 2018年12月11日
それは本当に思います。膝の靭帯が切れて腫れてるのに「通風かもしれないから血液検査して」と言う医者もいました。MRIも一カ月以上予約待ちでしたし。駐在の方々はアメホスを良く利用しているみたいですがより良い医療を受けたいなら金を出せと言う感じでしょうか
— サラサ(@r9DTzOFLQH53XtV) 2018年12月12日
私もたらい回しされすぎて町中のクリニック10個は電話かけた…… きちんとした処置を受けるのに2ヶ月くらいかかって毎日不安で勉強どころじゃなかった、、、 https://t.co/MM0z1VV6Dj
— Ally@留学垢(@Japan__America) 2018年12月12日
いやー…お察しします。たらい回しにされてるうちに患者のこっちの方が病気に詳しくなりますよね笑
私も今皮膚科Doctolibで探してますが、評判が良いところの次の空きがなんと来年の9月で頭抱えました…。— 虚ハム(@kyorai_fr) 2018年12月11日
病気は計画的になるものではないですよね?w
困ったときにすぐに診て貰えない環境は本当に辛いです。
本当に完全分業制の医療は、非効率でしかないですね…
医療費を払っていても、結局自己負担が発生する
フランスの医療費が無料になる場合は下記の通りです。
セクター1でかかりつけ医に登録している医者で診察してもらう
任意保険(mutuelle)に加入している
どんなお医者さんにかかっても100%返金されるわけではないので注意が必要です!
フランスにはセクター1、2、3とお医者さんによって料金が異なります。
セクター1 | セキュ所属の医者で、セキュの定めた料金で診察 |
---|---|
セクター2 | セキュ所属の医者で、医師が自分で診察料を決める |
セクター3 | セキュ非所属の医者で、全て患者の自己負担で診察 |
100%医療費を返金してもらうようにするには、セクター1のお医者さんをかかりつけ医に登録しておく必要があります。
この場合、セキュリテソシアル(国の保険)から70%が返金されます。
セクター1のお医者さんでも、かかりつけ医に登録していない場合は返金額が下がります!
要注意です!!!
残り30%は任意保険で返金される、というシステムになっています。
でも実際…
皆無料で医療を受けたいので、セクター1のお医者さんが物凄く混んでいるのです。
緊急で見てもらいたい場合、自己負担が発生してしまうセクター2、3のお医者さんに診察してもらわざるを得ないことに…
税金も月々天引きされていて、任意保険にも入っているのに、自己負担が発生してしまうのですね。
実際、前述の首の腫れの件も、セクター1の医者があまりに混んでいるので、セクター2の先生に見てもらっていました。
それでも7ヶ月も検査や原因究明に時間がかかっていたという…www
緊急でどうしても見てもらいたい場合、救急外来に行けと言われることもあるんだとか…
医者に言われたのが「そんなに不安で重病なら救急外来へ行って!」と。そうなると先生は選べません。
救急外来も仏国は、一般病院では不法移民、ロマ人でいっぱい(驚き!)!なぜなら、Cartevitaleもお金も、Cartede séjourも無しで診察してもらえるから。私達税金払って待たされて…
— Luna Rica CUORE (@luna_cuore) 2018年12月13日
出産間際の妊婦(ロマ人)、子供、頭から血が出ている人優先!等
理解出来るけれど学校で骨折した娘。救急車で運ばれ(だから病院を選べなかった!)初めの先生に診察して貰えるまで5時間待ちっておかしいですよね?具合が悪く運ばれて来た男性は「俺は不法滞在者だから帰らせてくれ~!」と叫んでいた。
— Luna Rica CUORE (@luna_cuore) 2018年12月13日
救急外来でさえ、こんな状態だとは…
本当に真面目に税金を払っているのに、衝撃的です…
こんな状態を避けるためにも、自己負担でプライベート保険にさらに加入し、私立病院で診察してもらう方もいるようです。
わたしはいつもプライベート保険で専門医か私立病院で直接診てもらってます。それでも予約いっぱいのときは数週間・1ヶ月先ってことも。
税金払ってるのに!と思うけど、不調のまま長い時間過ごす方が支障だし、医療費無料だけど「時間は有限」だからお金には変えられない!が正直なところです
— Mika Connolly (@europe_life15) 2018年12月11日
タダが一番高くつくって、このケースも当てはまると個人的には思ってます。症状ほったらかし数年で、あとから取り返しつかなくなったらどうするの?!と思うとこわいですよね。。。
— Mika Connolly (@europe_life15) 2018年12月12日
タダが一番高くつく…
そんなことを身をもって実感させてくれるのが、フランスの医療ですw
あまりに酷いので、国外で治療を行う人も
自己負担を覚悟で、セクター2、3のお医者さんにかかる事もできます。
しかし、だからと言ってお医者さんのクオリティが良いわけではないです。
私が首の腫れの件でお世話になっていた先生は、セクター2でした。
フランス語で病状を説明するような自信がなく、高くても英語が通じる先生を選んだのです。
しかし、フタを開けてみれば…
簡単な単語、Belly(お腹)でさえ通じない人で、ちょっとでも詳細を話すと全然英語が通じない人でしたw
自己負担が増えたとしても、良いサービスや素晴らしいクオリティの医療を求めてはいけません。
あまりにフランスで治療が上手く行かずに、隣国まで行く人もいるようです…
そうやって治療がうまくいかず、フランス人でも多数、ベルギーの病院に行く人もいますよ。
— ulalafrance(@ulala_go) 2018年12月12日
医療費と、自分の命や快適さのどちらが大切かって感じかな。。。でも、EUだから治療費、フランス基準のものは返ってくるよ。
ベルギーで医師やってる人曰く、フランスの病院の判断ミスでおかしくなってるのとか診ててよくあるって言ってた。
— ulalafrance(@ulala_go) 2018年12月12日
なんと、おフランスから隣国までいかないとまともな医療が受けられないとは…
びっくりですね…
フランスは税金が高いので、高福祉・高医療と思われていますが、実際こんなものなのです。
かなり酷いですよね…
日本からフランスにいらっしゃる際は、必ず全ての治療を完璧に済ませおいてくださいね!
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