こんにちは、ペロンです。
フランスと言うと、何だかこーんなイメージがありませんか?
今朝ドイツ人と話してたけど、ヨーロッパで働いてる人は
・EUの国籍あればEU圏どこでも働ける
・年間30日有給がある
・みんな有給とって海外いく
・何日有給とっても誰も文句言わない
・他国の有給の少なさを心配される
・「今年は仕事終わった」時間もお金もあって、英語できるヨーロピアン最強か
— Shogo NakagawaWorld Traveler (@Sho_9513) 2018年12月12日
上記ツイートはドイツ人のことを指していますが、欧州人と言うと何となくこのようなイメージがあるのではないでしょうか…
確かに有給が多く、休みを取っても文句は言われないし、バカンスが取りやすい環境であることは間違いないと思います。
実際私もこんなことを思っていました。
まさにこんな風に夢見ていた私ですが…
実際はそんなに甘いものではなく、社会には良い事も悪い事もあります。
しかし、何だか日本人は欧州を美化しすぎだなぁと思うことが多いです。
それはフランスも然り、美化されすぎていますが、良いことだらけではないのです。
そんなフランスで就職し、つくづくフランスの収入事情や、それにまつわる社会背景について驚く事が多かった私。
イメージとは違うフランス人の収入事情や現在の社会背景について、まとめてみました。
経済苦、生活苦を象徴しているデモ活動
(写真出典:「黄ベスト」デモで減速のトラックに車が激突、1人死亡 ベルギーより)
現在フランスでは生活苦や増税に対抗してGilet Jaune(黄色いベスト)のデモ活動が行われていることでも知られています。
このデモ活動、破壊行為や放火行為など、暴徒化している様子に焦点が当てられる事が多く、暴徒化に対しては批判も多いですが…
実際、平和にデモ活動をしている人たちもいて、デモの目的や抗議活動自体を支持している人たちは、世論調査によると約70%もいるとか。
(参照情報:BBC NEWS JAPAN フランスで黄色いベスト抗議行動、4週連続 「経済的大惨事」と仏財相)
このデモに生活苦を訴える人が多いように、フランスのイメージと反し、多くのフランス人の生活は裕福ではありません。
今まで、フランスのエリートの姿だけを宣伝し、それが全てのフランス人だとイメージをもっていたかもしれないが、
黄色いベストのデモの姿は、普通の一般のフランス人の姿。
— ulala france (@ulala_go) 2018年12月4日
2018年も押し詰まってきた11月19日、日本の日産自動車と三菱自動車、フランスのルノー3者の会長を兼任していたカルロス・ゴーン氏が逮捕され、フランス政府が出資しているルノーによる日産支配の構造が一般人の目に明るみになった。それだけではない。フランス側の当事者であるマクロン大統領が、12月1日から始まり現在もなお継続中の「黄色いベスト」運動のデモと暴動で窮状に立たされている。
この2つのニュースが連日メディアで流されているので、フランスのイメージが悪化するのは避けられない状況にある。
だが、もともと日本人はあまりにもフランスを知らなさすぎたのである。日本人はフランスの芸術・文化には慣れ親しんでいるが、フランスの政治体制についてはほとんど関心がない。実はフランスという国は中央集権の官僚国家であり、警察国家である。もう記憶が薄れているかもしれないが、南太平洋で核実験を強行した国だ。こういった側面だけを見たら、およそ一般の日本人が憧れたりうらやましいと思ったりする存在ではないはずだ。
(参照URL:デモと暴動の国、露わになったフランスの本質)
これまで、いわゆるフランスのエリート層の「キラキラしたイメージ」に注目されていましたが、このデモの様子もまたフランスの一面。
一般庶民はなかなか厳しい生活を強いられていて、ついに革命のごとく爆発してしまったのです…
これもまた、フランスの現実ですね…
超格差社会
フランスに来る前、私はまさに「おフランス=キラキラ」なイメージを持っていました。
いや、実際そのような人たちもいます。
有名人で言うと、中村江里子さんみたいな大金持ちや、セレブ暮らしをしている人ももちろんいらっしゃるのです。
でもフランスは超格差社会で、そのような大金持ちはごくわずか。
超富裕層はお誕生日プレゼントにジェット機を買ってもらったりする人もいる一方、メトロや道端で物乞いやスリ・引ったくりをして生計を立てている人もたくさんいるのが現実です。
また前述の通り、Gilet Jaune(黄色いベスト)のデモに賛同する人も多いです。
少し前のニュースですが、このような調査も…
【12月9日 AFP】フランス人の半数近くが自分のことを「貧しい」と思っているか、すぐに貧しくなるかもしれないと恐れているとの調査結果が6日、発表された。
仏調査会社CSAが仏経済紙レゼコー(Les Echos)の委託により行ったこの調査で、自分は「貧しい」と答えたフランス人は11%、貧しくなりつつあると答えた人は37%だった。自分は貧しくない、または貧しくなる危険はないと答えた人は51%、残る1%は無回答だった。
もっとも貧困の危険を感じていたのは会社員、肉体労働者とフリーランス契約者だった。一方、最も危険を感じていなかったのは管理職や専門職に就いている人たちだった。
ユーロ圏第2位の規模を誇るフランス経済は、2011年末から足踏み状態が続いている。経済成長率は2012年第2四半期が0.1%、続く第3四半期も0.2%にとどまった。(c)AFP .
(参照URL:フランス人の半数弱が「貧困の危険」感じる、調査結果)
欧州全体の状況も、同様に深刻だ。欧州連合(EU)では1億1750万人、域内人口のおよそ4人に1人が貧困層に転落するか社会的に疎外される危機にさらされている。その人数は2008年以降、イタリア、スペイン、ギリシャにおいて600万人近く押し上げられている。フランスやドイツでも、貧困層が人口に占める割合は20%近辺で高止まりしたままだ。
(参照URL: 「貧困層」が急拡大している欧州のリアル)
日本でも、また、世界中どこの世界でももちろん格差はあります。
しかしフランスの場合、超学歴社会ということもあり、格差が完全に固定されていているのが問題だと思います。
日本のように、低所得家庭だったとしても、一生懸命勉強して大学に入学し大企業に就職するといった、「頑張って這い上がる」のようなものが無いのです。
生まれた環境・階層はずーっとひっくり返すことはできず、一生同じ…
平均収入について
意外ですが、フランスの給料は日本より低いと思います。
付け加えると、物価の高さ、生活費の高さの割にはお給料が低いです。
こちらの記事によると、フランスの2015年の平均収入は20540€(手取り)。
月換算すると、月約1712€になります。
1€は130円と仮定して、日本円に換算すると高く感じますが、こちらでは1€=100円のような感覚なので、日本円には換算しないで考えましょう…
1€=100円の感覚であれば、月約17万ちょいしかもらえていないことになるのです。
そして年収は約205万円…年間205万しか手取りでもらえていないと考えると、かなり低いですよね。
フランスの場合、この手取りの金額から、さらに所得税と住民税を別途支払う必要があります。
2019年1月から、所得税はお給料から源泉徴収されることになりましたが、住民税は別途支払う必要があります。
20540€=205万円しかもらえていないのに、さらに税金を払うとなると…
手元に残るお金は本当に少ないのです。
ちなみにこちらの記事のよると、同じく2015年の日本の平均年収は約420万円。
フランスの平均年収の低さ…
やっぱり日本と比べてもだいぶ低い事がわかります。
フランスは日本に比べて物価も高いと思うことも多く、この給料水準で生活していくにはなかなか大変…という人が多いのが現実です。
高い失業率
フランスは日本に比べると、非常に失業率が高い国です。
世界の失業率ランキングによると、フランスの2017年の失業率は9.44%。
一方、日本の失業率は2.88%なので、3倍以上失業率が高いのです。
また、若者の失業率はもっと深刻…
こちらの記事によると、2017年の24歳以下の失業率は22.3%越え…
日本は4.7%なので、いかに失業率が高いか…!
こんなに失業率が高く、フランス人でさえ就職は大変だと言われています。
しかも超学歴社会…前述の通り、「何とか這い上がる」ことさえ無理だと思える様な状況なのです。
政府からの補助金や免税処置
「ではこんなに年収が低く、物価も高いのにどうやって暮らしていけるの?」と言うと…
子供の人数によって給付金がもらえたり、子供が多ければ多いほど免税を受けることができます。
逆に、子無し過程にはがっつり課税されてしまいますが…
フランスにはSMICという最低賃金で働く人も多くいます。
所得が一定金額を超えないと所得税課税の対象になりません。
(社会保障費、年金、追加健康保険は所得税非課税の人も支払い義務があり、全く何も払わないわけではありません)
なんと、2017年で43%の人しか所得税を払っていないそうです。
関係ないんだけどフランスで所得税を払ってる割合2013年は53%で「2人に1人か‥」と思ってたら2017年は43%‥遂に半数きったのか。。
俺たちは遂に少数派になった‥
— まりまど@marimado (@marimandona262) 2018年12月10日
フランスでそんなに裕福だと感じたことがないですが、まさか…所得税を払っている私も少数派だったとは…
いかに国民の多くが低い年収で働いているか…良く分かります。
以前、フランス人の知り合いが「フランスは超大金持ちか、超貧乏をして暮らすなら良い国。中間層は最悪」と言っていましたが、まさにその通りだと思います。
社会において助け合いは大事だし、社会保障も大事ですが…
フランスの場合、中間層はこのようなしわ寄せが多すぎるのが問題かなぁと思います。
キラキラしているイメージの裏にはこんなことが…
フランスも日本も、どんな国でも、夢のような場所は無いのが現実なのかもしれないですね。
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