フランスのペット事情

フランスから日本へ猫と帰国のする際にするべきこと、手順まとめ




こんにちは、ペロンです。

 

フランスから日本にネコを連れて帰ろうとしている方は必見です!

日本は動物輸入にすっごく厳しい国だという事を御存知でしたか?

色んな準備を、時間をかけて完璧に準備するが必要があります!

 

しかもなんと、フランスから日本にネコを持ち帰る場合、最低でも約8ヶ月から12ヶ月準備期間が必要です!

人々が帰国するもっと前から入念に準備させないといけないのですね。

 

この準備、完璧にこなさないと猫ちゃんが検疫所に留置されます。

最悪の場合、フランス(母国)に返送、または殺処分されてしまいます。

大事なペットは家族であり、こんな大変で辛い思いをしたくないですよね。

 

ちなみに我が家も猫が居ます。

ペロン一家は日本に帰る具体的な予定が無かったのですが、結局帰ることになりました!

日本に帰国すると決める前から、万が一急用で日本に帰国しないといけないとき、猫も一緒に連れて帰れるよう準備していました。

その準備というもの経験してわかりましたが、本当に大変だし面倒です…

 

どうしてこんなに日本へ動物を持ち込みが厳しいのか、またやらないといけないことや注意点についてまとめました。




どうしてこんなに日本へ動物を連れ込みが難しいの?

そもそも、日本は狂犬病清浄国と認定されています。

狂犬病清浄国ってなに?と思いますよね。

簡単に言うと狂犬病の国内感染が長期間発生していない国なのです。

日本はこの環境を保っていられるよう、外部から持ち込まれる動物が狂犬病を持ち込まないよう、厳しくチェックしているのです。

 

実は、私は狂犬病について良く知らなかったのですが…

狂犬病は大変危険な病気で、人を含む全ての哺乳類に感染する可能性があるんだとか。

非常に恐ろしく死に至る危険性も高い病気なのです。

(1) 臨床症状
○前駆期:発熱、食欲不振、咬傷部位の痛みや掻痒感
○急性神経症状期:不安感、恐水及び恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症状
○昏睡期:昏睡(呼吸障害によりほぼ100%が死亡)

○治療:
発症後の有効な治療法はない。

○予防:
罹患動物に咬まれた場合、ワクチン接種等により行う。
海外の狂犬病発生国で頻繁に動物に接する場合には、渡航前に狂犬病ワクチンを接種しておくことが望ましい。

(参照URL:厚生労働省 狂犬病について

 

また、この恐ろしい狂犬病は世界各地で発生していて、年間多くの人々が亡くなっています。

世界の発生状況(WHO、2004年)

●年間の死亡者数推計 55,000人(うち、アジア地域31,000人、アフリカ地域24,000人)
●年間の暴露後ワクチン接種者数推計 1,500万人

(参照URL:厚生労働省 狂犬病について

 

ペロン
ペロン
狂犬病、こんなに大変な病気だったとは…知らなかった

こんなに危険な病気、それは政府が必死に水際対策をする理由がわかりますよね。

 

動物の持ち込みの際、

・指定地域からの持ち込み

・その他の国からの持ち込み

と、ガイドラインが分けられています。

 

指定地域の定義はこちらの通り。

指定地域とは、農林水産大臣が指定している狂犬病の清浄国・地域で、2013年7月現在、6地域が指定されています。
アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム

(参照URL:指定地域 農林水産大臣が指定する狂犬病の清浄国・地域

つまり、ほとんどの国や地域が指定外地域となります。

フランスも指定外地域ですね。

 

指定地域からの持込の場合、比較的手続きは簡単です。

しかし、指定外地域の場合、それはそれは面倒で長い手続きをこなさなければなりません…

 




フランスから猫を持ち込むための準備ステップ

狂犬病対策は生後3ヶ月から実施できます。

準備ステップは下記の通りです。

①マイクロチップの埋め込み

まずはフランスの獣医さんにマイクロチップを埋め込んでもらいます。

これは個体識別のために必須で、マイクロチップの種類はISOの規格を満たしたものである必要があります。

(ISO 11784 及び 11785)

 

獣医さんにマイクロチップを埋め込んでもらう際に、規定の物かどうか、必ず確認しましょう。

 

②狂犬病予防注射1回目

いよいよ狂犬病の予防注射をします。

マイクロチップの埋め込みと同日実施可能だそうです。

 

うちの猫も同じ日に実施しました。

 

また、ワクチンの種類も定められています。

不活化ワクチン(inactivated / killed virus vaccine)か、組換え型ワクチン(recombinant vaccine)が有効とされており、生ワクチン(live virus vaccine)は認められないので注意が必要です。

 

これも、獣医さんにどの種類のものを注射するのか、しっかり確認をしましょう。

 

③狂犬病予防注射2回目

狂犬病注射1回目から30日以上~有効免疫期間内に行います。

注射ワクチンの種類は1回目と同様です。

 

④狂犬病抗体検査(血液検査)

猫にしっかり抗体がついているかどうか、血液検査をします。

血液検査のための採血は民間の獣医さんで行ってもらえます。

 

また、この採血は2回目の予防注射と同じ日に実施できます。

 

⑤日本の農林水産省・動物検疫所指定のラボへ送る

獣医さんに猫の採血をしてもらったら、そのサンプルを特定のラボに送ります。

この特定のラボは、日本の農林水産省・動物検疫所で指定されています。

フランスで指定されているラボはこちらの通り。

イノバリス・ル・マン
INOVALYS Le Mans

住所:サルト県ル・マン所在(128 rue Beauge F-72018 Le Mans Cedex 2)
TEL:+33 (0)2 43 39 95 74 FAX:+33 (0)2 43 39 95 80
E-mail:le-mans.stsa@inovalys.fr
指定基準確認日(Recognition date):Jun. 28, 2001

オート ・ガロンヌ県獣医学研究所
Laboratoire Veterinaire Departemental de la Haute-Garonne

住所 :オート ・ガロンヌ県 ロナゲ所在(76 Chemin Boudou, 31140 Launaguet FRANCE)
TEL :+33 (0)5 62 79 94 20 FAX :+33 (0)5 62 79 94 30
E-mail:lvd31@cg31.fr
指定基準確認日(Recognition date):Apr. 1, 2002

パ ・ド ・カレ県分析研究所
Laboratoire Departemental d’Analyses du Pas-des-Calais

住所 :パ ・ド ・カレ県 アラス所在(Parc de hautes technologies des Bonnettes, 2 rue genévrier F-62022 Arras CEDEX 2)
TEL :+33 (0)3 21 51 46 54 FAX :+33 (0)3 21 71 48 55
E-mail:lda62@cg62.fr
指定基準確認日(Recognition date):Feb. 06, 2002

フランス食品環境労働衛生安全庁ナンシー狂犬病・野生生物試験所(仮訳)
Agence Nationale de Sécurité Sanitaire de l’alimentation de l’environnement et du travail, Laboratoire de la rage et de la faune sauvage de Nancy, Technopôle agricole et vétérinaire

住所 :ムルトゥ ・エ ・モーゼル県 マルゼヴィル所在(BP 40 009 54220 Malzéville Cedex FRANCE)
TEL :+33 (0)3 83 29 89 50 FAX :+33 (0)3 83 29 89 59
指定基準確認日(Recognition date):May 27, 1999

必ず指定の場所に送りましょう!

また、血液検査の結果を必ずチェックしましょう。

狂犬病に対する抗体価(免疫抗体の量)が0.5IU/ml 以上でなければならないとのことです。

 

⑥2回目の採血日から180日待機する

2回目の注射・採血が終わったら、180日フランス国内で待機する必要があります。

180日…長いですが仕方ないですね…

 

⑦事前届けを済ませる

日本入国日が決まっていたら、必ず忘れずに事前届けを動物検疫所に提出します。

これは、日本入国予定日の40日前までに行う必要があります。

事前届けのフォーマットは動物検疫所HPのこちらよりダウンロードできます。

これを指示通りに全て記入し、メールで動物検疫所に送ります。

メールで送る際に、血液検査の結果もPDFファイルで送りましょう。

 

⑧届出受理書を受け取る

動物検疫所で事前届けが受理されると、届出受理書という書類が送られてきますので、これを印刷して手元に保管しておきましょう。

日本入国の際に必要になります。

 

⑨輸出前検査をする

出国から10日以内に、民間の獣医さんか輸出国政府機関の獣医さんによる輸出前検査を受ける必要があります。

ちなみにうちの猫は、いつも行っている獣医さんのところで検査をしてもらう予定です。

もし帰国日が予め決まっていたら、予約をし忘れないうちに、ささっと予約してしまいましょう。

 

⑩輸出国政府機関発行の証明書を取得

輸出国政府機関が発行した証明書を準備します。

証明書の推奨様式(Form AC)で抜け漏れなく全てを記載できるので、できるだけこのFORM ACを使うことをおすすめします。

証明書の推奨様式(Form AC)はこちらからダウンロードできます。

 

また、この書類は民間の獣医さんでも記入できますが、一部必ず輸出国政府機関の獣医さんに記入してもらわないといけない箇所があります。

民間の獣医さんに全て記載してもらうのはダメなので、要注意です!!

(逆に、輸出国政府機関の獣医さんに全て記入してもらうのは問題ありません)

輸出国政府機関の獣医さんが誰なの!?と思うと思いますが、民間の獣医さんに聞いてみるか、DDPPという機関で確認しましょう。

また、輸出国政府機関の獣医さんに書類を記入してもらうために、事前の予約も必須です。

お忘れなく…

 

⑪出国、日本で輸入検査

事前届けを提出した際に指示されると思いますが、動物検疫所の指示に従って日本で輸入検査をします。

 




必ず最新情報を確認しよう

すごく長いし、注意するポイントがたくさんありますよね!

最新情報や細かいガイドラインは、必ず動物検疫所の指定地域以外編を確認しましょう!

 

猫の月齢にもよりますが、やはり約8ヶ月~12ヶ月はかかるのです。

 

繰り返しになりますが、この準備、完璧にこなさないと猫ちゃんが検疫所に留置されます。

最悪の場合、フランス(母国)に返送、または殺処分されてしまいます。

ルールが多いので本当に細心の注意を払い、着実に準備を進めてくださいね!




ペロン家の経験談

うちの猫も2回目の狂犬病ワクチンを終えて、ラボに血液を送り検査結果を待っていました。

またフランス…いつも通り何もかも時間がかかるのですが、この検査結果を受け取るまでに1ヶ月ぐらいかかりましたw

 

しかもそこで気づきました…

ペロン
ペロン
結果書類まちがえまくってるじゃんかーーーー!!!怒

 

もうね…

飼い主(私たち)の名前も違う、猫の名前も違う、マイクロチップの番号も違う!

本当、フランスは残念ながら適当大国です。

こういうミスはいつものやつ…安定の間違いです。

 

とにかくフランスは適当なので、全ての情報が正しいか自分で必ず確認することが重要です!

検査結果を受け取って終わり、ではなく全て正しく記載されているか注意しましょう。

これ、出国間際に間違いとかに気づくと…また訂正にも時間かかるし、悪夢です。

 

自分の身は自分で守りましょう…




異国で慣れない準備をするには、手間取うこともあるかと思います。

そんな時にあわあわしないためにも、余裕持って1年以上前に準備しておベきだと思いました…

皆様のネコちゃんも無事日本に帰国できますように!

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ペロン
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